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そこへ、木の上から何か大きな物が降ってきて、一気に二匹の猿を押し潰した。
その勢いと重みに耐えられず、口から血だけでは無く臓物を吐き出し、圧迫された眼球が飛び出すと共に絶命する。
降ってきたのは、ボロボロに薄汚れた服を纏った、一匹の毛の無いゴリラだった。
だがよく見れば、それはサイズこそゴリラ並だが、ゴリラではなく大きなチンパンジーなのだとわかる。
ただしその顔は、普通のチンパンジーに比べて縦長に伸びており、頭が大きい。
その見た目は、チンパンジーというより原始人に近いかもしれない。
チンパンジーに怯える猿達を狙って、木の上から更に何本もの槍が降ってきて、的確に猿達を貫いていく。
それを避けようとすればその猿をチンパンジーが長い腕で掴み、強く握
って圧死させる。
一つずつ。
一つずつ消えていく、猿達の悲鳴。
そうして全ての猿が沈黙すると。
もう二匹、上から降ってきたのと同じ大きなチンパンジーが、幹を伝って器用に降りてきた。
チンパンジー達は死んだ猿の着ている衣服を破ると、それぞれその死体を貪り始める。
猿達はこの大きなチンパンジー達の餌だった様だ。
モニターから聞こえる、猿の皮膚を破る音、骨を折る音、血肉を啜る音、咀嚼音。
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