第2章 マクベス

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「西門さん、今日は、来てくれて、ありがと。また連絡するからね。じゃ、俺授業があるから、いくわ。」 俊介は、立ち上がり、カバンを肩にかけ、出て行こうとした。が、啓二は、思わず引き止めた。 「待てよ。ひとつだけ、教えてくれ。」 ………カオルはなぜ俺の所へ来た? と、聞きたかった。 あんなに相手に困らない、モテモテのカオルの事だ。 俺以外にも面倒を見てくれる奴はいるだろう。 そうだ、星の数ほどいるに違いない。 そう聞きたかったのだが、考えてみれば俊介にわかるはずもない。 「何?」 俊介は再び、荷物を置き、椅子に座った。 「………」 啓二は引き止めたものの、愚問だという事に気づいて、やめた。 俊介は、高そうな腕時計をチラっと見て、つぶやいた。 「うーん。仕方ないな!これだけは、話して置くよ。西門さんのテンションあがるなら………」 俊介は授業を諦め、再び話を始めた。
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