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「西門さん、今日は、来てくれて、ありがと。また連絡するからね。じゃ、俺授業があるから、いくわ。」
俊介は、立ち上がり、カバンを肩にかけ、出て行こうとした。が、啓二は、思わず引き止めた。
「待てよ。ひとつだけ、教えてくれ。」
………カオルはなぜ俺の所へ来た?
と、聞きたかった。
あんなに相手に困らない、モテモテのカオルの事だ。
俺以外にも面倒を見てくれる奴はいるだろう。
そうだ、星の数ほどいるに違いない。
そう聞きたかったのだが、考えてみれば俊介にわかるはずもない。
「何?」
俊介は再び、荷物を置き、椅子に座った。
「………」
啓二は引き止めたものの、愚問だという事に気づいて、やめた。
俊介は、高そうな腕時計をチラっと見て、つぶやいた。
「うーん。仕方ないな!これだけは、話して置くよ。西門さんのテンションあがるなら………」
俊介は授業を諦め、再び話を始めた。
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