9人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
「ただいま。」
俺は家に帰って来た。そのまま2階の俺の部屋まで上がる。
手には白いダンボールを持っている。
『ヘルム』だ。
なんの因果でこれを手にしたか分からない。
売っちまおうかとも考えたが、店長から片身の様に渡されたもんだから、そうもいかないよな。
「とりあえず、バイト探ししなきゃな。」
妹の舞も『ヘルム』を抽選で当てたし、どうなってるんだ?
貴史もすでにやってるし、なんか運命かんじるな。
ネットで売るとどれくらいすんだろ?
色々と考えながらベットに横になった。
「あ!いい事思いついた!」
あいつら(貴史と舞)が二人でヘルムするだろうから、ゲームのなかであいつらを驚かしてやろう。
クックックッ。
貴史が言ってた様に『ヘルム』は超高性能らしいから、俺じゃおそらくついて行けないかもしれない。
説明書ぐらいは読んでおかないとな。
俺は白いダンボールを開け、説明書を取り出した。
頭で考えた事が実行される。。。
やって見なきゃ分からないから、晩飯食った後にやってみるか?
母さんが仕事から帰って来た。
俺は母さんにバイトの事を話した。店が閉店になったこと。店長のお母さんが倒れた事など、詳しく話した。
「そう。それは大変だったわね。しばらくの間はバイト探すのはやめて、就職活動に専念しなさい。」
「それは、当然ですな。」
俺は母さんには頭が上がらない。尊敬しているのもあるし、怒ったら歯止めが効かなくなる。
「お兄ちゃん。早くお母さんを安心させてあげてよね。」
「お前に言われなくてもわかっとる。」
最初のコメントを投稿しよう!