回りだした歯車

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「ただいま。」 俺は家に帰って来た。そのまま2階の俺の部屋まで上がる。 手には白いダンボールを持っている。 『ヘルム』だ。 なんの因果でこれを手にしたか分からない。 売っちまおうかとも考えたが、店長から片身の様に渡されたもんだから、そうもいかないよな。 「とりあえず、バイト探ししなきゃな。」 妹の舞も『ヘルム』を抽選で当てたし、どうなってるんだ? 貴史もすでにやってるし、なんか運命かんじるな。 ネットで売るとどれくらいすんだろ? 色々と考えながらベットに横になった。 「あ!いい事思いついた!」 あいつら(貴史と舞)が二人でヘルムするだろうから、ゲームのなかであいつらを驚かしてやろう。 クックックッ。 貴史が言ってた様に『ヘルム』は超高性能らしいから、俺じゃおそらくついて行けないかもしれない。 説明書ぐらいは読んでおかないとな。 俺は白いダンボールを開け、説明書を取り出した。 頭で考えた事が実行される。。。 やって見なきゃ分からないから、晩飯食った後にやってみるか? 母さんが仕事から帰って来た。 俺は母さんにバイトの事を話した。店が閉店になったこと。店長のお母さんが倒れた事など、詳しく話した。 「そう。それは大変だったわね。しばらくの間はバイト探すのはやめて、就職活動に専念しなさい。」 「それは、当然ですな。」 俺は母さんには頭が上がらない。尊敬しているのもあるし、怒ったら歯止めが効かなくなる。 「お兄ちゃん。早くお母さんを安心させてあげてよね。」 「お前に言われなくてもわかっとる。」
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