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ヘルムにログインした。
今は19:50。ヘルムの中だと7:50だ。
「隼人さん。来たんですね。」
幸はソファーに腰掛けたまま話し掛けてきた。
「あれ?貴史はまだか?」
「まだ、来てないですよ。舞ちゃんはどうしたんですか?」
「舞は自分の部屋でなんかバタバタしてた。もうすぐ来るんじゃねーか。」
「そうなんですね。私、今日のイベントが楽しみで早めにログインしたんです。」
「そうか。それより、その敬語辞めてくれよ。こっちまで気を使っちまう。」
「あ!そうだった!忘れてた。」
幸は長い髪を後ろに結んでいる。
ポニーテール。
俺の好きな髪型だ。
幸の職業が武術家だから髪が長いと邪魔になるんだろう。
「隼人の住んでる所はどこなの?」
俺は幸の真向かいのソファーに座る。
立ってると不自然だからな。
「俺は都内に住んでるよ。」
「へー。私も都内だよ。もしかしたら、どこかですれ違ったりしてるかもだね。」
「有り得なくはないな。」
「隼人の顔をどこかで見たような気がするんだよねー。」
俺の顔を、マジマジ見てやがる。
やめてくれ、惚れられても困る。
「あら?お邪魔でした?」
ビクッ!
「まっ舞。ログインしたのか。俺の真後ろに現れるからビビった。」
「お邪魔だったらログアウトしようか?お兄ちゃん?」
「舞ちゃん。変な事言わないでよ。」
幸の顔はほんのり赤くなっている。
「ジョーダンですよ。幸さん。貴史君はもうすぐ来るんだって。」
「貴史は時間ピッタリにくるからな。あいつの性格は細かいから。」
今、ちょうど20:00。
「おまたせー。皆来てたんだね。」
「ああ。さっそく今日の打ち合わせするか?」
「そうだね。2人とも顔赤いけど大丈夫?風邪引いてる?」
「気にすんな。」
「気にしないで。」
舞の野郎ー。ニヤニヤしやがって。
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