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ロバー村長は驚きながらも、嬉しそうな笑みを浮かべている。
「聞き間違えではあるまいな。」
「はい。僕達に大蟻を退治させて頂きたいのです。」
「有難い。しかし、旅人のあなた方にお頼みするのは気が引けますなぁ。。。」
ロバー村長は腕組みしながら考え込んでいる。
面倒くさい村長だな。話しが進まねーじゃねーか。
「大丈夫です。やらせて下さい。困っている村の人達の為にお役に立ちたいのです。」
貴史は念押しした。
「本当にいいのですか?この村は大蟻のせいで収入源が乏しくなっています。報酬などはあまりご用意出来そうにはないですが?」
金持ちのくせに何言ってやがる。
最初のイベントだから文句言わずに我慢してやるけどな。
「結構です。ロバー村長。」
「分かりました。あなた方にまかせましょう。」
やっと大蟻退治のイベントにいける。
「ロバー村長。さっそくなのですが、大蟻の住処は何処にあるかわかりますか?」
「この村の東にある山のふもとに大蟻の巣があります。巣の入り口の近くの大きな岩が目印です。それから、大蟻は集団で襲って来ますので注意してください。巣の奥にいる女王蟻を倒せば大蟻は自然と居なくなり、村にも現れなくなるでしょう。」
「ありがとうございます。今から大蟻の巣へ行ってきます。大蟻を退治できたら報告に来ます。」
「村のためにお願い致します。女王蟻の牙を持って来てくれたら、お礼はさせて頂きます。」
村長の家を出て俺達は宿屋の前まで来た。
「あの村長なんか話し方がムカついたな。俺達が大蟻の退治をするってなったらコロッと態度変えやがって。」
「お兄ちゃん。ゲームなんだから仕方ないよ。」
「ロバー村長ってなんか人間っぽかったね。コンピュータとは思えないぐらいリアルな喋り方だったね。」
ゲームの中のコンピューターキャラクターでも現実世界の人と変わらない喋り方や仕草。
ヘルムが精巧に造られているのは理解出来るが、なんかムカつく。
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