裏イベント

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「実はこれ(血鉱石)は女王蟻を倒した時にあの場所で拾ったんだ。」 貴史の手のひらに乗っている小石は間違い無くあの血鉱石だ。 サイズ的にはかなり小さいが、ロバー村長の部屋のガラスケースに入れて置かれてあった物と同じ。 赤く鈍く光っている。 「あーなるほどね。」 「そう言う事ね。」 舞と幸はなぜか納得しているが、さっぱり俺には理解が出来ない。 「どういう事だ?その血鉱石がイベント終わってないって事とどう繋がるんだ??」 「隼人は全然わかってないな。ロバー村長の家にあった血鉱石。大蟻の巣にあったこの血鉱石。そしてこの鉱石は高く売れる。まだ分からないかい?」 「。。。」 「お兄ちゃんバカだなー。」 「ロールプレイングゲームした事ある人なら直ぐに分かると思うよ。」 舞も幸も呆れているけど見当も付かない。 「隼人がいいヒントをくれたんだけどね。しかたない、良く聞いてね。」 俺が?なんかしたか? 改めて貴史の話に耳を傾ける。 「あのロバー村長の家はかなり豪華な造りだったよね。家の中も高価な物が沢山あった。そして、村長に頼まれて僕達は村の畑を荒らす大蟻の巣に乗り込み、女王蟻の討伐をした。そこで見つけたこの血鉱石。村長の部屋にあったのも血鉱石。この鉱石はかなり高価なものだ。」 「それは分かるけど。。。」 「そして、僕達はロバー村長から大金を貰ってイベントをクリアしたように見える。でも、問題は血鉱石が何故あんな所にあったのか?」 「ロバー村長や村の人も討伐に行ったから、その時に血鉱石を落としたんじゃないのか?」 「それは、違うね。そもそも高価な血鉱石をそんな危ない所には持っていかないよ。」 「じゃあ何だよ。」 「あの山の蟻の巣はもともと、この血鉱石を取り出す採掘場だよ。」
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