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マネージャーに軽くふくらはぎを蹴られ、思わずよろけて男子校生バイトにぶつかった。
男子校生バイトが肘を動かし、俺の身体を跳ね除けた。
「仕事できねえ、とろくさい野郎」と、目が言っている。
俺は苛立つことすらできない。
そんな余裕なんかない。
熱でくらくらする。
頭が重い。
マスクで跳ね返ってくる息が熱い。
マネージャーに悪態を吐かれながら、ほかのバイトたちに見下されながら、なんとか作業をこなす。
中年男性バイトの佐藤さんだけは、ときどき心配そうに俺のことを見ていたけど、忙しい時間帯では会話なんかできない。
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