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夕食時の波が去って、ようやく後片付けというとき。
それまでの緊張の糸が切れて、一瞬、目の前が真っ暗になった。
ダメだ、こんなところで気を失うわけにはいかない。
こらえろ。
ステンレスの台に両手をつき、重たくなった身体を支えた。
本来、男で身長170センチなら軽いほうに入る身体だが、今は重くて重くて仕方がない。
このまま倒れ込みたい。
けれど、それは許されない。
「……おい」
マネージャーの声。
なんだろう、珍しく心配してくれているんだろうか?
俺の目の前に出されたのは、米5キログラムの袋。
「これ、向こうに運んでくれねえ?」
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