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『拝啓、大切な人へ』 ごめんなさい 親不孝もの、なんて 私の為にある言葉 小さい頃に片親を亡くし 私は弱音を吐けなくなった きっと性格の問題 甘えてばっかなんて恥ずかしい よく甘えられるよね なんて 女友達のことを笑ったり 男らしくないなんて言った ひねくれてるのは私で 甘えられる人が 本当は羨ましくて いつの間にか 姉御と呼ばれるようになった 頼られる存在は 誰かに頼ることが出来なくて いつでも辛い思いをした 「いつか結婚しちゃうのか」 なんて親に言われて 「私は結婚なんてしない」 「子供もいらない」 なんて突っぱねた その時の悲しそうな顔が 今も頭に残っている ごめんなさい 孫の顔がみたいこと 私が幸せになって欲しいこと 分かってる 誰よりも分かってるけど いつの間にか 家族の生き方を忘れてしまっていた だから、なんて言い訳だけど 愛し方が分からない 幸せになる事が 怖くて仕方がないのです ごめんなさい 親不孝もので 私はきっと 本当は幸せになりたいんだ
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