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校庭は全面芝生で、無駄に横幅の広い道に沿って生垣が整えられており、また芸術的なオブジェが点在している。 金持ちの趣味というやつなのだろうか。 副会長さんは振り返ることもなく僕を先導している。さっきああ言っていたし、質問に答える気は0なのだろう。 無言が続いて早10分、ようやく校舎と思われる建物に着いた。 副会長さんが何やらカード状の物を機械に通すと玄関の扉が開いた。 なんとびっくり。自動ですか。 「どうぞ、入ってください」 扉を通った僕は建物の中の様子に驚嘆した。 エントランスは高い天井にシャンデリア、所々に飾られている絵画やオブジェなど、豪華を絵に描いたような内装だった。 「何をぼうっとしているんですか。行きますよ」 「あ、すみません」 副会長さんは中央のある白い筒の前で止まっていた。
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