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僕は思わず目を瞬かせた。 「そんなに改まって、一体どうしたの?」 珍しい。いつもは突然ふっかけてくるのに。 「あのね。……私がBL作家も兼ねているのは知っているわね?」 「あー…………うん、一応」 思わず苦笑しながら答えた。 そう、姉さんの残念なところはここである。 『腐女子』 俗にこう呼ばれる彼女たちは男性同士の絡みや恋愛を主食とし、そこに2つ以上の物体が、いやむしろもう何もなくても妄想で萌えることのできる恐ろしい人種。男バージョンである腐男子も極少数だが存在している。 ーーと、姉さんから聞いている。 実際初めてその話を聞いたときは腐女子なる存在に興味が湧いて、試しに姉さんにその妄想の内容を聞かせてもらったこともあった。けれど開始1分で心の底から引いたからすぐにやめてもらった。 そして激しく後悔した覚えがある。
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