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「いいえ違うわあり得ない」 「え?」 「総受けは、だめ」 姉さんは先程とは打って変わり、表情をなくしてそう言った。普段常備している微笑みも消えている。 「あのね。湊くんには、男子校に行ってイチャイチャしてるホモップルの、置かれているシチュエーション、表情、感情、台詞の観察、報告をしてもらいたいの」 困惑する僕に姉さんはそう言った。 それもそれで辛いのだけど。 ……ここは黙っておくべきか。 「えっと……?観察と、報告?」 「そう。間違っても、湊くんがその中に入るのはだめ。萌えないもの」 「あ、うん……えっと、それで、どこの男子校なの?」 「私立『伊集院学園』の高等部よ。 ここは王道設定満載だし……何より丁度良い手駒もいるわ」
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