第四章:快楽の報復・前

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       1.  梅雨も明けようとしていた。  土曜の午後。 部活動帰りの尚斗(なおと)を、瑤子(ようこ)は、クラブハウス付近で待っていた。  ───結局、二人は付き合うようになっていた。 尚斗の積極的な態度にほだされたような形だった。  しかし瑤子のほうも、彼に好意をもっていたので、断る理由もなかった。 ……ただ一点を除いては。  尚斗は、蒼(あお)と瑤子の関係を知っている。 それが、深い付き合いであったことも。
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