第1話:家族

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「優ちゃん今日、泊まっていくでしょ?」 「んー、着替えなにも持ってきてないからいいよ。帰る」 妹・小雪(コユキ)を抱きかかえる兄貴が言う。 「それくらい大丈夫よ。和之(カズユキ)か孝哉(コウヤ)の服、借りればいいじゃない」 「いや、そんな、いいよ。悪いし」 「いいや、私は気にしないよ。優樹くん」 「和之さんまで……」 助けを求めるように視線が合う。 「父さんのは大きすぎるだろうから、俺の貸そうか?」 残念だけど、ここに兄貴の味方はいない。 「……え、あ、じゃあ、よろしくお願いします」 兄貴が頭を下げるのを、妹が同じように真似をした。 ◇ ◇ ◇ ふー、さっぱりした。 「お風呂あいたよ」 「うん。じゃあ、私は小雪と一緒に入ろうかな。先に優樹くん――」 「ゆきはゆぅにいちゃとはいる!」 父・優「「え」」 あーあ、父さん落ち込んじゃった。 「お、俺? 小雪ちゃん、お父さんと入らないの?」 「ゆきはゆぅにいちゃとはいる!」 「そんなに狭くないし、3人一緒に入れば?それとこれ、パジャマに使って」 「え? あ、ありがと。……え!? 3人!?」 「いいよ! ゆきと、ゆぅにいちゃと、おとうさんと、ゆきがはいる!」 「小雪それだと4人いるよ。しかし孝哉、ぐっじょぶだ!! 優樹くん、それでもいいかい?」 「あ、えと、…はい。大丈夫です」 「おふろー!」 ドタドタドタドタドタ 「ふふふ、小雪は優ちゃんがほんとに好きなのね」 「うん。そうみたいだ…母さん、なにか手伝おうか?」 「ううん。もう片付けは終わったわ。……あぁ、そうだ。優ちゃんの寝る場所どうしましょう」 「…じゃあ、―――」 甥side:end
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