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「優ちゃん今日、泊まっていくでしょ?」
「んー、着替えなにも持ってきてないからいいよ。帰る」
妹・小雪(コユキ)を抱きかかえる兄貴が言う。
「それくらい大丈夫よ。和之(カズユキ)か孝哉(コウヤ)の服、借りればいいじゃない」
「いや、そんな、いいよ。悪いし」
「いいや、私は気にしないよ。優樹くん」
「和之さんまで……」
助けを求めるように視線が合う。
「父さんのは大きすぎるだろうから、俺の貸そうか?」
残念だけど、ここに兄貴の味方はいない。
「……え、あ、じゃあ、よろしくお願いします」
兄貴が頭を下げるのを、妹が同じように真似をした。
◇ ◇ ◇
ふー、さっぱりした。
「お風呂あいたよ」
「うん。じゃあ、私は小雪と一緒に入ろうかな。先に優樹くん――」
「ゆきはゆぅにいちゃとはいる!」
父・優「「え」」
あーあ、父さん落ち込んじゃった。
「お、俺? 小雪ちゃん、お父さんと入らないの?」
「ゆきはゆぅにいちゃとはいる!」
「そんなに狭くないし、3人一緒に入れば?それとこれ、パジャマに使って」
「え? あ、ありがと。……え!? 3人!?」
「いいよ! ゆきと、ゆぅにいちゃと、おとうさんと、ゆきがはいる!」
「小雪それだと4人いるよ。しかし孝哉、ぐっじょぶだ!! 優樹くん、それでもいいかい?」
「あ、えと、…はい。大丈夫です」
「おふろー!」
ドタドタドタドタドタ
「ふふふ、小雪は優ちゃんがほんとに好きなのね」
「うん。そうみたいだ…母さん、なにか手伝おうか?」
「ううん。もう片付けは終わったわ。……あぁ、そうだ。優ちゃんの寝る場所どうしましょう」
「…じゃあ、―――」
甥side:end
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