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姉(伽弥)side
エアコンの風で毛先がふわふわと揺れる可愛い頭。
撫でる手のひらに気持ちいい。
「ん……」
あら、起きたかしら。
「……ん? 姉ちゃん?」
「おはよ、大丈夫?」
「うん、………ぅあ!! あ、あの、姉ちゃん…」
私の膝から勢いよく起き上がった優ちゃんは、赤くなったり青くなったり百面相している。
「和之から聞いたわ。のぼせちゃったんだって?もう、ダメでしょう。気をつけないと」
「あ、…のぼせて……。…うん、そう。のぼせちゃって」
「小雪がね、かおだいぶなの!!、ってすごく興奮してたのよ。優ちゃん、お顔大丈夫?」
「顔?……いや、大丈夫。痛くないよ」
「それならいいんだけど」
「……ごめん、姉ちゃん」
優ちゃんは顔を俯けて、しゅんとしている。
もう、この子ったら、昔から変わらないわね。
「違う」
「へ?」
「違うわ、優ちゃん」
「なに………あ、えっと、ありがとう?」
「うん。どういたしまして」
微笑むと、優ちゃんも笑ってくれる。
うん。やっぱり優ちゃんは笑顔がいちばん可愛いわ。
「あ、優ちゃん」
「なに」
「優ちゃんの寝る場所なんだけどね、」
姉side:end
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