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誤解せぬように。
オーディンのように、力任せに手折るような真似はしない。
枯れ落ちた枝から削りだしたものだ。
だが、枯れてなお内包する力は強く。
人間の体のツボに的確に突き刺すと、効果は倍増。
大概のものは、あまりの心地よさに快楽の海へと沈み、意識を白濁させ、歓喜のうちに果てる。
その果てるときに、人は体内より凄まじいエネルギーを吐き出す。
あっしは、それを集めているのだ。
黒き竜ニーズヘッグを封じるために、その力を大量に。
今夜、あっしのためにその身を投げ出しているのは、助。
可愛らしい容貌と仕草で、周囲から好意を寄せられることの多いこの青年は、しかし、最近恋煩いをしているらしい。
相手は。
あの飛猿だ。
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