393人が本棚に入れています
本棚に追加
あっしの鍼治療は、助、格、お銀の体を虜にしている。
ご隠居と飛猿は、除外するとして。
実はもう一人。
あっしを「兄貴」と呼び、懐いているぽちゃうっかりな人間がいる。
その名も「八兵衛」。
にもかかわらず、この慌て者でうっかりばかりでぽちゃな青年に鍼治療を施すことはない。
ああ・・・彼だけを避けるのはよくないかもしれないが。
あっしはぽちゃがもっとも好みなのだ。
すまん、八兵衛。
日々旺盛な食欲を見せ、明朗なその性格は実に好ましく、それゆえにおまえのエネルギーを一度この身に受けてしまえば、来る日も来る日も欲してしまいそうだからだ。
そして、のめり込みすぎて、ユグドラシルも元に帰ることすら躊躇うかもしれない。
なんと罪深い存在なのだ、八兵衛!
最初のコメントを投稿しよう!