第1章 変化の始まり

2/16
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
        心地のいい音とともに見えてくるぼんやりとした光は、 カーテン越しにピンク色に染まり、 私を現実へと戻した。 だんだん目のピントが合ってきた。 今日初めて見る物は…目  あり得ないほど近くにある。 私の弟の目だった。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 突き飛ばされた彼は、 座り込み、 その美しい顔をゆがめ眺めながら私を睨みつける。  寒気のようなものに襲われて、 とっさに出た言葉は… 「…ゴメンナサイ」 「よろしい。」 姉といえど弟がこんな態度でも怒りにくいのも、 また事実。 だって… 生まれた時間が5分しか違わないから。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!