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心地のいい音とともに見えてくるぼんやりとした光は、
カーテン越しにピンク色に染まり、
私を現実へと戻した。
だんだん目のピントが合ってきた。
今日初めて見る物は…目
あり得ないほど近くにある。
私の弟の目だった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
突き飛ばされた彼は、
座り込み、
その美しい顔をゆがめ眺めながら私を睨みつける。
寒気のようなものに襲われて、
とっさに出た言葉は…
「…ゴメンナサイ」
「よろしい。」
姉といえど弟がこんな態度でも怒りにくいのも、
また事実。
だって…
生まれた時間が5分しか違わないから。
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