第1章

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「まりちゃん。」 俺は、姿の見えない座敷わらしのまりちゃんに呼びかけてみた。 「今日は掃除にあてるから、明日からうちの方においで。一緒に年越ししよう。」 誰も来ない店に一人残しておくのは、可哀想だ。 ほんの3~4日の間、うちに来てくれれば寂しくないんじゃないかな、と思って。 俺の呼びかけに、まりをぽーんとはじくような音が応えた。 どうやら、承知してくれたらしい。 俺は安心して、店の裏口から自宅に戻った。 着替えて洗濯機を動かし、その間に軽くシャワーを浴びて簡単な朝食の準備。 食べ終わるころには洗濯が終わったので、それを干してから俺は寝た。 さすがに徹夜で店をしたあと、寝ないで掃除というわけにはいかない。 起きてから頑張ろう。
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