第1章

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同じように、レジ子さんからお金を全部取り出して、丹念に磨かせてもらう。 レジ子さんがいてくれるおかげで、この店は赤字にならないようなものだ。 人間じゃない人が来て、お金以外のものを払ってくれたり、違う国や違う時代のお金を払ってくれたりしても、レジ子さんはそれをこの時代のお金に換金してくれる。 必要な食材を用意していくれる冷子さんとともに、俺とこの店に必要不可欠なつくも神たちだ。 一年間ありがとう、レジ子さん。 来年もよろしくお願いします。 店の中で一番時間をかけて丁寧に掃除したのが、冷子さんとレジ子さんだったのも、当然だよな、うん。 それから、小上がり。 窓を開けて空気を入れ換えながら、畳に掃除機をかける。 はたきをかけ、窓を拭き、こんなものかなと一息つく。
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