第26章:終わりよければ全てよし

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「…さてと、そろそろ帰ろうか」 「あ、うん。じゃあ、俺これ返してくる」 「いいよ。恵は先に向かっててよ。俺が片付けてくるから、先にあいつらの所帰ってて」 そう言って、悠里は俺の手から桶を奪っていくと、そのまま駆け出してしまう。 「もう!転けないでよー!!」 声を掛けたら掛けたらで、ヒラヒラとこちらに向かって手を振るから、余計に転けないか心配になる。 「ホント…ちゃんと前向いてよ」 悠里が見えなくなってから、俺も荷物をまとめる。 さっきまでの賑やかさが嘘のように静かで、辺りには花と線香の匂いが漂っていた。 今なら…言えるかな…? 「…悠里のお父さん、遼君。 改めまして、牧野恵です。 俺、男だけど、悠里のことは誰にも負けないくらい大事に想ってます。 だから、安心して下さい。俺が悠里をもう二度と悲しませんから」 手を合わせ、どうか二人に届きますようにと思いを込めて言う。 「…またみんなで来ますね」 長野は悠里にとってまだ悲しい場所なのかもしれない。 でも、また浦間さんや、…いつかは悠里のお母さんも一緒に来れたらいいな。
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