第1章:初恋は苦いモノ

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「…先、輩、何して」 悠里先輩が待ち構えていたことにも驚いたが、更に先輩が正座でいることに驚く。 慌てて悠里先輩に視線を合わせるように、しゃがみこめば、 先輩は勢い良く土下座した。 「すまない!!」 「…え。ちょ、先輩!?」 突然の土下座にびっくりするが、先輩はそのまま顔を上げることなく続ける。 「…先輩なんて呼ばれる資格なんて。俺はお前になんてことを」 「…………」 「謝って許してもらえるなんて虫のいいことは思ってない! 取り返しのつかないことをした…。 恵っ!気が済むまで俺を殴れ…!!」 そう一気にまくし立てた先輩に、呆気に取られてしまって…すぐに言葉が出なかった。 たけど、俺が黙ったままなのを先輩は勘違いしたみたいで、  「そうだよな…。もう口も聞きたくないよな…。本当に悪かった。…今日は帰るわ」 頼もしい筈の悠里先輩の姿が小さく見えて、もう泣いてないのに… でも、彼をこのまま帰したら一生後悔する気がした。 「待って下さい」
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