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まだ自分の気持ちだって整理ついてないのに…
さっきまで悠里先輩とどんな顔して会えば、って悩んでいた筈なのに…
「先輩、もういいですよ」
気付けば、そんなセリフを口にしていた。
「え…」
俺に許されるとは思ってなかったのか、驚いた表情で先輩が顔を上げる。
「だから、もういいですって」
「でも…」
「もうそんな心配しないで下さいよ。処女じゃあるまいし、…そりゃちょっとは驚きましたけど、俺平気ですよ?」
まさか男同士でセックスすることになるとは思いもしなかったが、手を差し伸べた時点で、俺も同罪。
悠里先輩ばかりを責める気なんて、これっぽっちも思わない。
「それに帰るって…もう電車もタクシーも動いてませんよ?」
「でも…」
「もういいですから。いつも俺の悩み聞いてもらってるのに、俺は先輩の悩み一個も知らない。俺だってたまには先輩の役に立ちたい」
…頼りにならないかもだけど、と苦笑して付け加えば、
突然悠里先輩が俺を抱き締める。
「…そんなこと言ったら、俺まじで恵に甘えるよ?いいの?」
「…いいですよ」
---悠里先輩と俺との関係が
先輩後輩以外に、
セフレという繋がりが増えた日---
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