318人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
「ははっ」
「ゆ、悠里?」
突然笑い出した悠里に驚けば、更にぎゅっと抱きしめられ、ますます戸惑う。
「どうしたの?」
「いや。恵はホント男前だなぁと思って」
「え!?なにそれ!?」
「…俺、これから完全に恵の言いなりかも」
「はぁ!?」
「ホントだって。恵にはもう一生頭が上がらない」
「…何言ってんの」
「だから、俺のことをしっかり見てて。…まぁ俺以外見てる暇なんか、もうやらねーけど」
「っ…!!」
………こんなこと、さらっと言う人に男前だのなんだの言われても、な。
「…悠里って、ホントズルいよね」
「ははっ。それこそ、今更、ね」
うっすらと悪そうな笑みを浮かべる悠里。
「もうからかうな!!」
「はははっ」
だけど、俺を見つめるその瞳の中に優しさを感じるから、憎めない。
最初のコメントを投稿しよう!