第4章:交差する想い

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「あ!御門さんじゃん。そういや御門さんって牧野んとこの先輩だっけ?」 「そう…」 「へぇー。やっぱ女子が騒ぐだけあって格好いいな…ってか、その御門さんと喋ってんの…葵ちゃん!?」 「…え?誰それ?」 悠里と喋っている女子社員を凝視する田中にそう訊けば、田中は次に俺を凝視する。 「牧野…お前、まじで男か…?」 「はぁ??」 「いやいや。我が社一番人気の高野葵(コウノアオイ)ちゃんを知らないなんて男とは言わねぇ!!」 「なに基準、それ…」 びしっと断言する同期に冷たい視線を送るが、ことごとくそれを無視して、何故か目を輝かせて力説される。 「葵ちゃんはなぁ…顔はもちろん可愛いんだけど、誰にも優しいし、着痩せするタイプだから胸でけぇらしいし、何よりあの口元のホクロ!まじエロくねぇ!?」 「へぇー…」 田中の話は正直どうでもいいが、確かにその葵ちゃんとやらは可愛いらしかった。 イケメンの悠里と並んだら、まるでそこだけ会社内じゃないように華やか…    そんな二人を遠巻きに見ているのは俺らだけじゃなく、他の社員達もどこか羨ましそうに二人を見ていて… 「お似合いだな…」 気が付けば、そう呟いていた。
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