第4章:交差する想い

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「え?なんで!?この土日にどんな心境の変化が!?」 「田中、うるさいよ」 急に騒ぎ出した田中を小声でたしなめる。 バカ!騒いだら気付かれ… 「…朝から元気だな」 後ろから甘い匂いと共に声がかかる。 「っ!?」 「…あ、御門さん!おはようございます!!」  「おはよう。えっと…君は…?」 「田中良樹(ヨシキ)です。営業部のエース候補です!!」 田中…そんなの初めて聞いたぞ? てか、エース候補って何?すごいの?? 嬉々として自己(過大)アピールを繰り広げる田中に、悠里もやや苦笑気味。 だけど、律儀に田中の話に付き合ってくれて… 「…へぇ。すごいね。葵もすごいと思うよね?」 後ろに佇んでいた葵ちゃんに話を振る。 「うん。エース候補とかすごいですね!早く真のエースなれるよう頑張って下さいね♪」 そう言ってにっこり微笑んだ葵ちゃんに、 「はぃ…!!」 田中は顔を真っ赤にして、声まで裏返して返事をする。 「じゃ、俺ら先に行くね。行こう?葵」 「またね♪」 俺らに手を振る葵ちゃんの肩にそっと手を置き、エレベーターの中へと促す悠里。 そして、エレベーターの扉が閉まり、俺らの視界から完全に二人が消え去る。
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