第4章:交差する想い

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「な「もう気が済んだでしょ…」 言葉を遮り、悠里の身体を押しのける。 「…は?」 「悠里、先輩…仕事中ですよ?」 目元の涙を拭い、敢えて笑顔でそう言い放つ。   お願いだから…もうこれ以上俺を振り回さないで。 「早く帰らないと職務怠慢で部長に怒られますよ?」 自分のことは棚に上げて、早く仕事場に戻るように促せば、 悠里はしばらく俺を見つめた後、上着を拾い上げ、ドアを開けた。   素直に従ってくれた悠里にほっとしていたら、 「先に戻ってる。…けど、まだ話は終わってないから」 それだけ言い残し、ドアが閉められた。 「…何だよ、それ」 まだ話は終わってない?? 「こっちがどんな…っ!!」 どんな思いで笑って話を切ったと思ってんだよ!! 止まった筈の涙が再び頬を伝い、立っている力も尽き、ずるずると壁づたいに座り込む。  もう無理、だろ…… 自分は女が山ほどいんのに、俺も離れるのは許さないって何なの? ……悠里は俺を…どうしたいわけ? 「ふ…うっ…」 全然答えは出ないのに、涙だけが馬鹿にみたいに溢れ出す。 …助けて…… そんな心の悲鳴と共に俺は電話を掛けた。  
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