第1章

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別になにがあったわけでもないけれど。 あえて言えば、ぬくぬくと実家から出たこともない自分への戒め。 また、どちらにせよ来年の四月からは社会人になるし、この辺で独り立ちしておこうという気分が一気に盛り上がっていた。 『なんか……心配だな。 色々と……』 どんな想像をしているのかわからないけれど、セータはあまり賛成していないようだった。 でも少し考えてから、 『じゃあ俺も手伝いに行くよ。 どっちにしろ大学も冬休みに入って暇になるし。 車も運転できるし、ちょっとした荷物なら運んであげられるよ』 山梨と東京。 会えそうで会えない距離の俺たちは、付き合い始めてからようやく再び顔を合わせる機会を得た。
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