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「アニリン先輩…
自衛官がそんなコトしたら、懲戒免職確定なんだけど…」
「まあまあ、九○式や八九式(八九式戦闘車。戦車と同じくキャタピラ式だが、火力も装甲も戦車には遠く及ばない)で来なかっただけでも良かったっしょ」
お互いに苦笑しながらみーちきとオトリン。
どうやら昼間飛鳥山公園近くを訪れた時に、二人は偶然放送局のカメラに映っていたらしい。
「でも、どうするのオトリン?
私の休暇は明日までだし、アニリン先輩完璧に誤解してるし…」
「大丈夫、ボクがいるから兄ちゃんたちにそうそう極端な真似はさせないよ」
自信満々にオトリン。
内心一抹の不安こそ覚えはしたものの、女の敵問題が絡んだ以上親友がいい加減な事を言うとは思えなかった。
(都電とデゴイチを案内するつもりが、随分と大事になりそうだなぁ…)
思わず心の中で呟くみーちき。
当然二人はその全貌など知る由もないのだが、トレインガードマンズ包囲網がまた一段階きつく締め付けられた瞬間でもあった。
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