褐色の豆台風。

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 妖怪八神婆討伐大作戦が、江田島健児側の圧倒的なる大勝利にて終結してから数日後。 暦も全国的に昭和11年の8月を迎え、彼等は思い思いの形にて沖縄を堪能し始めていた。 よくよく考えてみると、自分達が望んだ事とは言え沖縄に到着するなり彼等は戦を始めた事になる。 その戦が大勝利に終わった今、今のところとは言え彼等に闘う理由はないように思えた。 尚、この道中に於ける彼等の拠点は、符礼亜村の龍南神社である。 すっかり嵐山との蟠りが解消したユリネは江田島健児たちに宮之原道場への宿泊を勧めたのだが、それに応じたのは1名のみであった。 その1名が誰なのかも、彼を除く江田島健児たちがそう決めた理由も推して知るべしであろう。 そして… ケービン垣戸島線…正確には垣戸島町営軌道の小さな混合列車には、晴れて新たなる公認ペアとなりつつある一組の男女が揺られているのであった。 「ホンマにええトコでんな」 「はい」 旭日軍艦旗もかくやと思われる程顔を赤らめながら嵐山と静乃。 その理由は、もちろん降り注ぐ真夏の太陽だけではない。
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