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「まあ!」
茶目っ気盛り沢山の嵐山の解説に、良い意味にて吹き出す静乃。
如何に美乃自慢の姪っ子といえど全知全能の神ではないから、前から順にそれぞれ蚕豆(そらまめ)・大豆・小豆・むかご程の大きさにしか見えない艦一隻一隻の見分けなどまずつかない。
しかし目の前の嵐山は、それらを一瞥したのみで艦種はもちろん何型かまで言い当ててしまったのだ。
やがてただ吹き出しただけでは嵐山に失礼だと考えたのか、静乃は頭の中の引き出しから嵐山の喜びそうな話題を引っ張り出す事にする。
「では、あれが一等巡洋艦摩耶でしょうか?」
列の先頭を行く蚕豆位の大きさに見える艦影を指差しながら静乃。
当然嵐山はそれに即答する。
「はい、あのどデカいお城みたいな艦橋備えとぅのは高雄型しかありまへん。
ほなアレは摩耶や…
と言いたいトコでっけど、正直そこまでは分かりまへん。
四隻居る姉妹艦の区別が付きまへんわ(※当時の話)
知ったかぶりは至誠に悖りまっさかい」
「五省ですね。
流石です」
「十二省までこさえとぅクマもいてまっせ?」
「お二人とも合作なさる位息が合っておいでですものね」
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