病院にて。

7/11
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
 翌朝の同病院待合室に現れた嵐陸コンビを迎えたのは、束田牧高校鉄道研究部駅長こと長井千六郎少年。 そして、彼の傍らに立つ青年であった。 その精悍な顔付きの青年は南方出身なのか褐色の肌を持ち、勲章に彩られた軍服がそれを程良く引き立てている。 そして嵐陸コンビは、彼の顔立ちに明らかに見覚えがあった。 それを知ってか知らずか、千六郎が少し上気しながら口を開く。 「おはようございます機長、小林さん。 こちらのロットファイ レウ少尉がお二方に是非お会いしたいと」 「おおきに駅長さん。 久しぶりやなロットファイ レウ君」 「ありがとうございます駅長。 こちらロットファイ レウ君。 嵐さんと私共通の友達の曾孫さんです」 「お久しぶりですミーィさん、スアさん。 先程はありがとうございます長井千六郎さん」 嵐陸コンビを知る人ぞ知るチューレンで呼んだ事からも、彼が誰の曾孫なのかは言うまでもないだろう。 その後彼が話したところに拠ると、彼は現在バンコク大使館駐在武官の副官を務めており、今回の鉄谷道子銃撃事件を知るや、休暇中にも関わらず押っ取り刀で東京に駆け付けてくれたそうである。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!