魔神への貢ぎ物

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サンクレア王国…ブラウンカンパニー屋上 23:00 サンクレアは急激に都市開発が進み、建物もビルの形式の物が増えている。その第一号がこの[ブラウンカンパニー]。 その屋上に寝転がり夜空を見上げる。クロトの親友にして、ギルド[サンクレアフェニックス]のギルドマスター。さらにブラウンカンパニーの社長にして、魔法学校に通う3年生でもある。 神々に導かれ、多くを成したヒューイ・ブラウン。神々が坐す宇宙の星々を見上げると、僕も[救世主]からただの人に戻れる。 星の明かりを頼りに、表紙に[預言の書?]と書かれた本を読む。 ここ2年の愛読書。 中身はおかしな漢字の使われ方で訳が解らない難解過ぎる本。 でもいつだったかな。序章の内容が突然解る様になったのは。 まずこの本は物語。ただ登場人物が多過ぎて、読めても訳が解らない。 [聖天小人]…始めの登場人物。これが僕だと思う。ショウニンと書くなら普通は上人と書くけど、著者はわざわざ小を使った。著者らしいギャグだと思う。 それから[魔天童子]…これはクロトでしょ。魔も極まり天に通ずる男。クロトっぽい。 まあこんな感じ。漢字ばっかりの本で、ニュアンスを神の叡智で読み解く本。 今まで読み解けた内容を要約すると、魔天童子が暴れ回り、世界を混沌に陥れる的な意味。 今日読み解けたのは[統皇仙女]。 神々の[天眼]で時間と空間を超越して与えてもらう映像[ビジョン]。それでグラディウスの僻地でクロトがエレナ姫を連れた様子が見えた。 クロト達自体は見えない。子を守る強く恐ろしい母にも似た、女神様が守ってる。でもグラディウスの人々の目を通してなら見える。 本の内容から見て[統皇仙女]はエレナ姫かな。皇帝を統べる…そして山の様に清らかな女性。名前の意味は解らないけど、多分そうでしょ。 そこまで解ったら、意味不明の漢字の羅列がぼやけて見えた。 これは文字じゃなく絵。今の僕の様子が浮かび上がってる。 高いビル…周囲の街並み…そして………星降る夜。 流星群だね。それも夜が明るくなる程の。 このページを読むと、内容が何となく解る。 要約すると。 クロトとエレナ姫が出会う事。 夏休みの初日の今日、僕がここでこうして流星群を見る事。 そして流星群は始まりの合図である事。 本の冒頭には、解読する必要はなく、必要な時に解るみたいに書いてあった。 今日はたまたまここに来て、数分で流星群が現れた。
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