14 ゆれる想い

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そんな展開になるとは思ってもいなかった。 あまりにも驚きすぎて、頭の中が混乱してしまう。 でも、ここで動揺してしまっては、場の雰囲気が悪すぎる。 もしかしたら、これは日下部さんの悪い冗談なのかもしれない。 そう。 みんな冗談つもりなのだ。 日下部さんも。藤木さんも。 それなのに、私だけが真に受けてしまう。 「昨日、離婚したばっかりなのにそんなこと言うんですか?」と明るい口調で言ってみる。 「ずっと好きだった。でも、ちゃんとけじめをつけてからじゃないと、なにを言っても信じてもらえないと思った。今日まで、ずっと耐えてたんだ」 「私だって、プロポーズを断ったばかりなんですよ」 「だから言ってるんだよ」
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