14 ゆれる想い

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日下部さんは、笑ってはいなかった。 「けじめってなんですか?」 意味がやわからないと言いたそうに、日下部さんは私を見ていた。 「一度だけキスして、放っておくことですか?」 「別に放っておいたわけじゃない」 「私なら、待たせていても平気だと思ったんですか?」 ずいぶんと棘のある言い方をしてしまった。 「どうした?」 「どうって?」 「なにかあったのかって、聞いてるんだよ。もりかして藤木さんのことか?」
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