14 ゆれる想い

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そう思っていた。 そう思っていたのに、私の決心は脆かった。明日になっても大丈夫だという自信は、その夜に藤木さんがやってきたときには、一気に失われた。 「明日、休みが取れたんだ。顔が見たくて来てしまったよ」   先に部屋に入った私が、どういう態度に出たら良いのかわからずにいると、背後から両手が伸びて来て包むように抱き締められた。 私の耳の辺りに頬をつけられ、思わず目を閉じる。
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