14 ゆれる想い

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「日下部さんが離婚したこと、もう知ってるんですね。もしかして、ずっと前から知ってたんですか? それで、日下部さんと私がそうなる前に、抱いておこうと思ったんですか?」 「その言い方はひどいだろ」 藤木さんは険しい顔で、私を見ていた。 「確かに日下部くんが離婚を進めていることは、前から知ってたよ。離婚の話が出た頃から、興信所のやつらに付け回されているって言っていたから、理沙のことが関係してるんじゃないかって思ったりもしたよ。だから俺が焦っていたのは事実だ。でも俺はただ、理沙を誰にも渡したくなかっただけだ」
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