14 ゆれる想い

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言葉は行き詰ってしまったのに、勢いのついた気持ちは止まらなかった。 「日下部さんが、しばらくニューヨークへ行くかもしれないって」 「それと俺たちのことと、なにか関係があるのか?」 「一緒に行かないかって言われました」 一瞬の間があった。 「仕事でということか?」 私は無言のまま首を横に振った。 「もちろん断ったんだろ?」 「別に私が誰と付きおうと、誰とどこに行こうと、藤木さんには関係のないことですよね」 「本気でそう思ってるのか?」 「そうじゃないんですか?」 「そんなわけないだろ」 赤く充血した眼が、私を睨んでいた。 眉根に深い皺ができていた。 この人はどうしてこんなに怒っているのだろう。
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