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「立花の…?」
立花といったら、青龍の支部の一つだ。
十束が本家なら、立花は分家。その立花の家で爆発が起きた。
だから集められたのか。
「今は消防が火を沈下しているが、立花は何かを爆発させるなんてヘマはしない。それにこんな早朝だ。誰かが意図的に起こした可能性が大きい。怪我人も多いようだし、こっちから何人か組員を行かせた方がいいだろう」
龍正はそう言うとざわつく組員の前に出た。
その姿に組員たちは会話を止め、視線を龍正に集中させる。
「もう連絡は回っているだろう。立花の家の爆発は何者かの手による確率が高い。今現在も消防が動いているが、その内警察も動くだろう。警察が立花の家に入る前に、何らかの証拠を掴まなければならない。その為にこちらからも人手を送ろうと思う」
組員たちは龍正の言葉に真剣に頷き返す。
それを見て龍正も頷くと、すぐに場は動き出した。
「萩原、すぐに組員の半数を立花の方に回せ!」
「半数ですか!?」
「怪我人を補助する奴、証拠品を探す奴、警察を足止めするのにも人手が必要だ。惜しまなくていい、使える奴を連れて行け!」
「了解!」
「粟島は移動するための車を用意しろ」
「わかりました」
「佐竹、羽柴は待機。もしも人手が足りなかった場合は出てもらう」
「「了解です」」
素早く指示を飛ばす龍正に、龍臣はその姿をじっと見つめていた。
流石は頭首だ。動きに無駄がない。
自分もいつかはああいうふうに組員を動かさなきゃいけないのかと思うと、やっぱり面倒だと思ってしまう。
しかしそうも言ってはいられないのだろう。
龍臣は龍正の傍まで近づく。
「龍臣、お前はどうする?」
その問いかけに、自分には指示を出さないのかと龍臣は一瞬思案する。
龍正は次期頭首でもある龍臣の考えを問うているようだ。
立花の家に赴くか、この場に残るのか。
行動で示すなら行った方がいいだろう。しかし龍臣は直感でその考えを否定した。
なにか喉に引っかかるような、嫌な予感がする。
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