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「頭が痛い」
昨日、ピアノを弾いたら突然倒れてしまったらしい。
私はベットに寝ていたのに、銀太は心配して一晩中起きてくれていたのか、ソファの柱にもたれて腕を組んで座って眠っていた。
寝顔は、子供みたいで可愛いのに。
いまいち考えてることが分からないんだよね。
ピアノを弾くとお兄ちゃんの事とか思い出した頭がおかしくなる私なんか、気持ち悪くないのかな。
なんで、銀太は私なんかを受け止めようと両手を広げてくれるんだろう。
「そんなに見つめられたら、穴が開きそう」
「!?」
「おはよう。気分はいい?」
いつから起きてたのか、銀太は甘く笑うと、背伸びして立ち上がる。
起きてるなら、早く言ってくれたらいいのに。
「なんだか、ちょっとまだ頭は痛いけど」
「今日は休むといいよ。テスト週間前でどうせ自習が多いし、俺、今日は生徒会の会議で帰りが遅いしさ」
眠い、と呟くと私を見下ろす。
「休む? それとも一緒にお風呂、入る?」
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