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「お前、何者だ? ボスが追いかけている事件の時、お前だってまだガキだったはず」 「『銀太』はね。実験も、狂った時間も知らないんじゃないかな?」 「じゃあ、お前は誰だ!」 不気味で、静かに身体を蝕んでいくような人を馬鹿にした笑い声。 ふわふわして掴めない会話のやりとり。 全てが異質で、銀太の手の上で転がされているように感じる。 「俺は銀太だよ。そして、夢琴の御兄さんが死にたくないっていうから御手伝いしただけ」 「手伝い?」 銀太は面倒くさそうに壁を叩く。良く見ればそこには小さなクローゼットがあり、そこから上へ続く階段があった。 そこから黒いビニール袋を取り出すとまたパタンと閉める。 「御兄さんは、身体は死んでも一部分だけ残っていたらソレは生きてると主張していて夢琴に託した。でも、彼女が壊れたら可哀想だから俺が手伝ってる」
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