≪ OL時代とある出来事 ≫

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 貴菜子の入社した会社は業界トップの損害保険会社である。約3年間の会社勤めの間、色々な事があった。それほどもてる訳でもないが、やはり“若さ”で貴菜子のことを好いてくれる男性も何人かいた。明るくなかった生い立ちの割には、笑うと可愛らしく「目」が澄んでいた。ショートカットで、どちらかと言うと痩身に見える体系である。身長は158cmくらい。  新卒で入社すると、そのフレッシュさで、次の新人が入って来るまでは誰もが “花形スター” なのだ。同エリアの同期は男性を含めて15人位、新人というだけで一年間は何をしても注目を浴びる。但し、スポーツ大会や旅行の宴会では「余興」を披露しなければならない。新人の逃れられない責務であり、代々のしきたりとなっていた。同期に仲のい良い人はいなかったが、この余興の時ばかりは練習も含めて参加せざるを得なかった。
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