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1つ溜息をつくと、再度アルはその足を止めた。
振り返り視線がぶつかると、気まずそうに逸らすのはミラン。
その様子にまた1つ溜息をつき、首を傾げて覗くように見つめると、アルはにこりと笑いかける。
「…お姉さん…?」
その澄んだ瞳に自然と跳ねる胸を落ち着かせ、ミランがおずおずと口を開いた。
「あの…ちょっとお願いがあるんだけ「お断りします。」
やっとの思いで切り出したミランの言葉は、空しくも言い終わる前に遮られてしまった。
アルは前に向き直り、歩き出す。
「待って!」
そこへミランが両手を広げて立ちはだかり、動きを止めた。
やれやれという表情を浮かべるアル。
「…お願いって…何?」
1度深呼吸をするとミランは話し始めた。
「その刀…貴方、ハンターなんでしょ?」
シェルロンでは一般人の護身用以外での武器の所持が禁止されている。
つまり、アルの持つ大刀はハンターで無ければ所持することは出来ない。
「…だったら?」
「仕事を頼みたい!」
何の、と問うアル。
「私を貴方の旅に同行させて欲しいの。」
「お断りします。」
「そこを何とか!」
「絶対嫌だ。」
貼り付けた様な笑顔を浮かべ頑なに断るアルに、必死な表情で詰め寄るミラン。
その必死さを感じながらも、アルは冷たく言い捨てる。
「とにかく、僕はお姉さんのそのお願いは聞けないから。」
「お願い…。」
「もっと他の、大人のハンターに頼みなよ。」
「じゃあ、次の街までで良いから!」
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