【battle 2:この世は必然か偶然か】

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平行線を彷徨い続ける2人の会話だったが、必死に食らいつくその姿にアルは素朴な疑問を投げかける。 「何で僕に固執するの?」 「…さっきの殺気…あなたでしょう…?」 おずおずと口を開き答えたその内容にぴくりと反応を示すと、 「なんだ、ばれてたのか。」 と言うと一度瞳を閉じ、アルは笑顔の消えた冷たい視線を向けた。 「なら話は早い。迷惑だ、失せろ。」 急変したその態度に驚くよりも、向けられた瞳の鋭さと殺気のこもった言葉に怯むミランの様子に、ここまで言えば引き下がるだろうというアルの思惑は的中した。 …かと思いきや、ミランはそれでも負けじと食い下がる。 「お願い!!」 両の手を合わせ懇願する姿に、当てが外れ困った様に眉を顰めるアルだったが、暫くして視線を戻すと口を開く。 「…俺は安い商売はしない。」 その言葉に顔を上げるミラン。 「いくらあればいいの…?」 「次の街まで約2日…それで50万だ。お前に払えるのか?」 ハンターが護衛任務を引き受けることは良くあるが、相場で考えると高くても5万程。 50万など、失業したばかりのミランが持ち合わせている筈も無く。 余りにも法外な値段に言葉を失うミランへ、アルは続ける。 「払えないなら、酒場に戻って他の奴に頼め。話は終わりだ。」 言い終わると、アルはミランの横を通り過ぎた。
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