【battle 1:シェルロンの理】

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『ドーン』 人里離れた山奥より騒々しい音が響き渡り、立ち上る土ぼこりから姿を現すのは2つの影。 横たわるそれは鋭い牙と爪を持ち、硬い鱗を纏った全長3mを超える【魔物】。 そしてその横には漆黒の長髪を揺らす青年の姿。 薄い唇にすっととおった鼻筋、流す前髪で右眼は覆われているものの、そこから覗く透き通った碧い左眼が印象的で、キラキラ光る左耳のピアスと右中指の指輪は何とも言えない不思議な光を放ち、目を奪われる。 183cmのその長身にはローブを纏い、背ほどありそうな大刀が目立つ。 青年が指輪を翳すと魔物は姿を消し、手元には橙色に光るクリスタルが残った。 「あぁんの、くそエロじじぃがぁ!」 酒場で悪態をつく女性。 肩を撫でるウェーブがかった栗色の髪に166cmのメリハリボディ、少し垂れ目の大きな瞳と左眼下のホクロが色っぽい、所謂美人顔。 そんな顔には似つかわしくない悪態をつき続ける彼女の名は【ミラン・ノーウェル】。 ミランは珍しい女性のハンターだ。 彼女の話をする前に、まずはハンターについて説明しよう。
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