【battle 1:シェルロンの理】

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「ったく!なにが『こ、こんなの僕のミランちゃんじゃない』よ!誰が誰のミランちゃんだと?!ふざけんな!ちょっと店員!もっと強いのもってきなさいよ!こんなんじゃヤケ酒にもなりゃしない!」 そう言いながら振り上げる右手には、空になったグラス。 「いや、あの、山羊のミルクに強いも弱いもありませ「あぁ?!」 「す、すみません!すぐにおかわりをお持ちします!」 山羊のミルクでヤケ酒するミランに店員もたじたじだ。 店員が厨房へ消えると、ミランは力が抜けたように腕を下ろし、握りしめたグラスを見つめて頬杖を付く。 「逢いたいよ…兄様…。」 小さくそう呟くと、ゆっくりと閉じた瞳から零れる一滴の涙は静かに頬を伝った。
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