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時刻は0時を回り、村が闇へと包まれる中、依然として酒場には煌々と明かりが灯り、店内からは賑やかな声が漏れ出している。
「ぉ俺様が、最強だー!!!」
一際大きな声で騒ぐのは稲妻の刻印が入ったバンダナをした青年。
大量のお酒を飲んだのか、顔は赤く千鳥足だ。
よろよろとテーブルの上に登ると、バンダナ青年はまわりきらない呂律で叫び続ける。
「ぉ俺様がぁあぁ、最強らからぁ、てめぇら下々の奴らら、のぉのぉと生きてられるんらろー!!!」
テーブルからグラスが落ち、大きな音と共に只のガラスの破片へと形を変える。
眠っていたミランも、あまりの騒々しさにむっとしながら目を覚ますが、面倒事に首を突っ込む気は無いようだ。
「おぉおーい!てめぇら聞いてるのらー?」
誰一人見向きもしないのに、バンダナ青年は喋り続ける。
「クリアラーでもない凡人風情がぁ、クリアラー様を蔑ろにしゃあがって、てめぇら…覚悟は出来てんらろうらぁ?!」
その言葉に、ぴくりとミランが反応を示す。
「クリアラー以外らんてらぁ…てめぇららんてなんの価値もね『ガターーーン!』
激しく倒れたのはミランの椅子。
無視を決め込んでいた他の客も皆振り返る。
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