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「天魔はどこだ?」
果心堂が口を開いた。天魔とは、彼の妹、涼の事だ。魔はたいてい彼女をその名で呼ぶ。
彼に向けるのとはまるで違う。冷たい目をして、有坂が応えた。
「姫さまの事をそのような俗称でお呼びいただくのは心外だ。人妖ふぜいに気安くされるようなお方ではないぞ」
かちん、と来たらしく、果心堂が腕組みをして言い返す。
「あのような破壊巫女。天魔なぞという名も勿体ないわ。アレで良い、アレで。で、どこにいると?」
彼の頭上を飛び越えて、はや、視線で喧嘩がはじまっている。
桜木はオロオロした。
しかし、そこはそれ、有坂の方があたりを慮る能力があるようで、
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