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★★★
彼らが最初に足を向けたのは、記念館と称する建物だ。
建物といっても、四方を塀に囲まれた小さな空間である。
その塀に、故、大河内伝次郎の足跡を示す遺物などが展示されているごくシンプルな造り。
しかし、壁に大きくかけられている伝次郎の肖像画に、あぁ、と桜木は頷いていた。
「この人が大河内伝次郎。アレだ、えぇと」
「『丹下左膳』」
有坂が合いの手を入れるのに、拳をポンと打つ。
「こう見ると、カッコいいですねぇ……!」
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