第9章 のぼりつめる

27/32
前へ
/32ページ
次へ
私はまた涙が湧いてきた。 糊の効いた白いシーツに小さな透明な塊が目尻に沿って流れた。 最後にも彼は私の心を優先してくれる。 どんなときでも。 彼の気持ちが私を昇らせる。 彼が果てる、 私も果てたのか、 それすらわからない。 ただ疲労が体中を巡る。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

953人が本棚に入れています
本棚に追加